【2024年】包丁研ぎ講習会
「包丁の堺徳」のオーナー、奥平(おくだいら)です。
地元、大阪・堺の包丁を売りたいと思い堺の刃物メーカーから堺の包丁を仕入、販売しています。
単に包丁を売るだけでなく、お客様に包丁のことを理解してもらえるように、堺の鍛冶屋、刃付屋を何軒も訪問し、実際の作業を体験させていただき、職人さんからお話を伺ってきました。また、堺だけでなく、岐阜の関、新潟の燕三条、種子島、東京の葛飾の刃物製作所も訪問し、それぞれの特徴やこだわりなどの理解も深めるように努めています。
包丁研ぎ講習会
この度、包丁研ぎ講習会をストリートアカデミーを通じて開催させていただきました。
貸会議室を利用しての開催ですので、プラケースに合う砥石台を用意し、プラケースの上で研いでいただくかたちで実施しました。
参加者は4名。40代から70代の男女2名ずつの参加でした。
ほとんどの方が包丁を研いだことがない。YouTubeなどで見様見真似で研いだもののうまくいかなかったといった包丁研ぎ初心者の方ばかりでした。
講習会開始前に、各自お持ちいただいた包丁を見せていただきます。どの番手の砥石から始めればいいか確認するためです。
大きく欠けた包丁を持ってこられた方はいらっしゃらなかったので、中砥石から始められそうです。
講習会は、まずテキストの説明から始めます。
包丁を研ぐのに必要なものの説明。片刃、両刃の研ぎ方の説明。面直しの説明。糸刃の付け方の説明。これら一通りの説明を終えたのち、実際の包丁研ぎ作業に入っていきます。
やはり最初の難関は、包丁の持ち方です。包丁の角度を一定にして研ぐという点が難しかったようです。
次の難関は、両刃の裏の研ぎ方ですね。左手に持ち替えて研ぐのは、慣れないと危険を伴うので、右手で裏に返した状態で研いでもらいます。が、手前に引くときに力を入れるというのが、難しかったようです。
フォローを入れながら、#1000番の砥石で一通り研いでもらったあと、試し切りをしてもらい切れ味を確認してもらいます。一部、きれいに研げていない箇所が残っている場合は、もう一度、全体に研ぎ直しをしてもらいます。
#1000の研ぎが完了した方から順に、#2000番の砥石で同じように研いでいただきました。
これは、番手が上がったことによって、切れ味にどんな違いがあるのかを知っていただくためです。おそらく家庭にある砥石の番手は#1000番くらいのものなので、#1000番以外の砥石で研ぐ機会も少ないと思います。なので、この機会に#1000番以外の砥石で研いだ包丁の切れ味の違いを実感してもらいたかったこともあります。
実際に研いでもらった感想としては、番手があがるとカエリの出方が小さくなるので、研いでいる感じがわかりづらいというものでした。ただ、その違い、カエリの小ささを知ることによって、研げているか研げていないかを判断できるようになると思います。
2時間の講習会で、各自でお持ちいただいた包丁すべてが研ぎあがりました。
2丁お持ちになった方もいらっしゃったので、研ぎ直しの仕方を習得できて、2丁の包丁の研ぎ直しが完了すると考えたら、講習料が安すぎたかななんて思いました。(笑)
講習会を実施している目的は、包丁を自身で研ぐことで、いつもいい状態の切れ味を維持してもらって、おいしい料理を召し上がっていただくことです。
もちろん、ご自身で研いでいるだけでは、満足に切れなくなったり、刃線が乱れてしまったりといったことが起こるかもしれないので、1年に1回とか定期的に包丁専門店で研ぎ直しをしてもらうほうがいいと思います。
出張研ぎや今回のような講習会を実施することによって、みなさんがどのように包丁を使われているのかがよくわかります。思いもよらない使い方をされていたり、包丁の使い方そのものをご存じなかったり。
でも、そういった思い込みや間違った知識を講習会やブログを通じて正しい方向へ修正できればと思いました。
包丁研ぎは、慣れが必要ですが、家庭用包丁の研ぎであれば、決して難しいことではないので、是非、包丁研ぎにチャレンジしていただければと思います。
包丁販売店に行ってみよう!
実際にものを見てみないとよくわからないという方は、包丁販売店に行って、実際に包丁をもってみてください。ただし、ほとんどのお店では試し切りはさせてもらえないので、切れ味を確かめて買うことはできません。
包丁の堺徳は、店舗を持っていませんが、イベント等に出店していますので、お近くで出店した際にはお気軽にお立ち寄りください。
近くに包丁販売専門店がない場合は、包丁専門店の通販サイトで購入されるのがよいでしょう。
「包丁の堺徳」では、実際に切っているところを動画にして公開していますので、参考にしてください。