【2024年】牛刀と三徳

「包丁の堺徳」のオーナー、奥平(おくだいら)です。
地元、大阪・堺の包丁を売りたいと思い堺の刃物メーカーから堺の包丁を仕入、販売しています。
単に包丁を売るだけでなく、お客様に包丁のことを理解してもらえるように、堺の鍛冶屋、刃付屋を何軒も訪問し、実際の作業を体験させていただき、職人さんからお話を伺ってきました。また、堺だけでなく、岐阜の関、新潟の燕三条、種子島、東京の葛飾の刃物製作所も訪問し、それぞれの特徴やこだわりなどの理解も深めるように努めています。

 

牛刀と三徳

牛刀包丁と三徳包丁という包丁があります。
どちらも万能包丁としてしられています。
では、それぞれどのような特徴があるのかみていきましょう。


牛刀包丁
もともと塊り肉を細かくするのに向いている包丁です。
ヨーロッパではシェフナイフと呼ばれています。
牛刀と呼ばれていますが、肉以外の魚や野菜など、ほとんどの食材をこの牛刀を使って料理します。牛刀より細身の筋引包丁。小ぶりなペティナイフというものがありますが、食材の大きさによって使い分ける程度で使い方に大きな差はありません。
洋包丁といわれる分類の中の万能包丁と考えていただいていいと思います。

三徳包丁
三徳とは、肉、魚、野菜の三種類の食材を1つの包丁で処理できることから「三徳」と名付けられました。
洋包丁に分類されますが、三徳包丁は日本発祥の包丁なので、英語表記でも「Santoku」と表記されます。
日本の食卓に肉が出る機会が多くなるにつれ、一般家庭に普及した包丁です。
その昔、日本の家庭でよく使われていた包丁としては、薄刃包丁があります。日本の野菜用包丁と知られています。
四角い刃の関東型と先が丸くなった鎌形になった関西型があります。
薄刃包丁は片刃なのに対し、菜切包丁は同じような形ですが、両刃になっています。
薄刃包丁と出刃包丁、海外から入ってきた牛刀、それらの特徴を併せ持った包丁として生まれたのが三徳包丁です。

万能包丁として使用できる牛刀包丁と三徳包丁。
どっちを買えばいいの?と思いませんでしたか?
どちらを買えばいいか考えるまえに、牛刀包丁と三徳包丁の違いをみておきましょう。

 

牛刀包丁 三徳包丁
食材 肉・魚・野菜 肉・魚・野菜
刃渡 180mm, 210mm, 240mm 165mm, 180mm
両刃 両刃
鋼材 ステンレス ステンレス
鋲止め 鋲止め・和式柄

 

牛刀包丁と三徳包丁、比較してみてもほとんど同じですね。
あえて違いをあげるとしたら、刃渡りだと思います。
牛刀のほうが刃渡りが長いものが多く、家庭用でも210mm程度のものが好まれる傾向にあります。業務用であれば、270mm程度のものが好まれる傾向にあります。
これは、切り方による違いがあります。刃渡りが長い牛刀では、押切と呼ばれる切り方がしやすいのです。押切という切り方は、切先をまな板に付けたまま切る切り方で、この切り方をすると切損じが少なくなります。押切をしようとするとある程度の長さがないとやりづらいので、三徳より牛刀を選ぶことになります。
一方、三徳包丁は、長さがない分、料理初心者や女性が使用するのに向いていると言えます。
三徳包丁の場合、切先をまな板に付けずに刃全体を前後に動かして切ることになります。
ちなみに、包丁は、押切と引き切りが基本で、包丁を前後に動かしたときに食材がよく切れます。
個人的には、最初は安くてもいいのでステンレスの三徳包丁を購入して、次にステップアップする際に三徳のいいものを買うか牛刀のいいのを買うか判断するのがいいかと思います。
すでにある程度、料理をされている方なら、牛刀を購入されてみてはいかがでしょうか。
牛刀も三徳もステンレス鋼材のものが主流ですが、鋼のものもあるので、切れ味重視の方は、鋼の牛刀、三徳を購入されるのもいいかと思います。
牛刀はヨーロッパ発祥の包丁ですが、最近は、和牛刀と呼ばれる柄が鋲止めではなく、差し込むタイプの和式柄のものや黒打ちのものなども販売されているので、好みのものを探してみるのもいいと思います。

 

包丁販売店に行ってみよう!

実際にものを見てみないとよくわからないという方は、包丁販売店に行って、実際に包丁をもってみてください。ただし、ほとんどのお店では試し切りはさせてもらえないので、切れ味を確かめて買うことはできません。
包丁の堺徳は、店舗を持っていませんが、イベント等に出店していますので、お近くで出店した際にはお気軽にお立ち寄りください。

近くに包丁販売専門店がない場合は、包丁専門店の通販サイトで購入されるのがよいでしょう。

「包丁の堺徳」では、実際に切っているところを動画にして公開していますので、参考にしてください。

包丁の堺徳 - YouTube

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