【2024年】ダマスカス包丁
「包丁の堺徳」のオーナー、奥平(おくだいら)です。
地元、大阪・堺の包丁を売りたいと思い堺の刃物メーカーから堺の包丁を仕入、販売しています。
単に包丁を売るだけでなく、お客様に包丁のことを理解してもらえるように、堺の鍛冶屋、刃付屋を何軒も訪問し、実際の作業を体験させていただき、職人さんからお話を伺ってきました。また、堺だけでなく、岐阜の関、新潟の燕三条、種子島、東京の葛飾の刃物製作所も訪問し、それぞれの特徴やこだわりなどの理解も深めるように努めています。
ダマスカス包丁
ダマスカス包丁という波目のような模様の入った包丁をご存じでしょうか。日本国内はもとより海外の方にも人気の包丁ですね。見た目にも綺麗なので、オープンキッチンのようなお客さんから調理しているのが見えるお店でも使われています。
さて、ダマスカスとはいったいどういうものかご存じでしょうか。
ダマスカスとは、もともと木目状の模様を特徴とする鋼で、古代インドで開発されたるつぼ鋼であるウーツ鋼の別称です。シリアのダマスカスで製造されていた刀剣などの製品にウーツ鋼が用いられていたことに由来するそうです。
古代のダマスカス製法は失われた技術とされ、現在作られているダマスカスとは製法がことなるものということがわかっています。
現在作られている包丁のダマスカスは、異種の金属を積層鍛造し、模様を浮かび上がらせたものを指しており17層、33層、45層、67層などのように何層重ね合わせてあるか表記されている場合があります。
鋼材としては、VG10というステンレス鋼材が使用されるケースが多く、人気が高くなっています。
VG10以外にもモリブデン鋼が使われる包丁も存在します。
VG10やモリブデンはステンレスのため、洋包丁に使用されるケースが多いです。では、和包丁にはダマスカスは存在しないのでしょうか。和包丁にもダマスカス包丁は存在します。青一鋼や銀三といった安来鋼を使用したダマスカス包丁が存在します。わかりやすくダマスカスと謳っているものもありますが、墨流しという表記のものがダマスカス包丁にあたります。
ダマスカス包丁は、鋼材を重ねて作られているため、霞と呼ばれるような合わせ包丁と比べると反りに強く丈夫で耐久性に優れています。切れ味も長く続くとされています。
ダマスカス包丁は、多層構造になっているがゆえに、製作時に手間が掛かるため購入価格は高くなる傾向にあります。また、研ぎ直しの際は、研ぐことで多層構造の断面が変わるので、ダマスカス模様自体が変わる点を認識しておいてください。また、研ぎ方によりダマスカス模様がきれいに出る場合やくすんだ感じになる場合がある点も認識しておくといいでしょう。ダマスカス模様の部分を研ぐ場合は、#1000番くらいの中砥石より、#6000番くらいの高番手の砥石を使ったほうがダマスカス模様を綺麗に出せると思います。
綺麗で切れ味がいいダマスカス包丁をもってるとテンションも上がるので料理も楽しくなるのではないでしょうか。
包丁の堺徳でもダマスカス包丁を取り扱っていますので、是非、販売サイトで確認してみてください。
ダマスカス 三徳包丁 VG10 – 包丁の堺徳 (japanknifetoku.com)
包丁販売店に行ってみよう!
実際にものを見てみないとよくわからないという方は、包丁販売店に行って、実際に包丁をもってみてください。ただし、ほとんどのお店では試し切りはさせてもらえないので、切れ味を確かめて買うことはできません。
近くに包丁販売専門店がない場合は、包丁専門店の通販サイトで購入されるのがよいでしょう。
「包丁の堺徳」では、実際に切っているところを動画にして公開していますので、参考にしてください。
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