【2024年】錆び
「包丁の堺徳」のオーナー、奥平(おくだいら)です。
地元、大阪・堺の包丁を売りたいと思い堺の刃物メーカーから堺の包丁を仕入、販売しています。
単に包丁を売るだけでなく、お客様に包丁のことを理解してもらえるように、堺の鍛冶屋、刃付屋を何軒も訪問し、実際の作業を体験させていただき、職人さんからお話を伺ってきました。また、堺だけでなく、岐阜の関、新潟の燕三条、種子島、東京の葛飾の刃物製作所も訪問し、それぞれの特徴やこだわりなどの理解も深めるように努めています。
錆び
包丁を選ぶ際、『錆びない包丁がいい』という言葉をよく耳にします。
また、鋼の包丁を買ったけど、すぐに錆びたので奥にしまってしまった。という話。
では、ステンレスの包丁は錆びないのでしょうか?
いえいえ、ステンレスの包丁は錆びにくいですが、錆びます。
長年使っているステンレスの包丁、うっすらと黄色がかった箇所がないですか?
それがステンレスの包丁の錆びです。
研ぎ直しでお受けするステンレスの包丁でも、柄との繋ぎ目、口金付近など、錆びが出ているものをよく見かけます。
さて、みなさんは包丁に何を求めていますか?
見た目ですか?切れ味ですか?
このように問いかけると「切れ味」と答える方が相当数いらっしゃいます。
そういう方には鋼の包丁をご提案させていただいていますが、「鋼の包丁は錆びやすいですよ」とお伝えしています。
では、ホントに鋼の包丁がすぐに錆びてしまうのか。
私自身、お店の商品の出刃包丁や柳刃包丁を使っていますが、まったく錆びていません。
使った後、包丁の布巾等で水気を拭き取るようにしているだけです。
お寿司屋さんの板前さんが、包丁を使った後、包丁を拭いているその動作をしているだけです。
それをしても錆びやすい包丁もあります。
ただ、包丁を使ったら、布巾等で包丁を拭くという動作は、鋼の包丁だけでなく、ステンレスの包丁でもそれをするだけで、包丁のいい状態を長続きさせることができると思います。
ステンレスの包丁を錆びにくいから、食材を切った後、そのまま放置していませんか?
お鍋などと一緒にシンクに置いて、後で洗おうとしていませんか?
包丁を食洗器で洗っていませんか?
包丁は使ったら布巾等で拭く。洗うときは包丁の峰(背)の部分からスポンジで挟んで洗う。
洗った後は、乾いた布巾等で水気を取る。これをしていれば、包丁を清潔に保つことができますし、錆の発生も最小限にすることができるはずです。
もし、錆びてしまったら、錆び取りスポンジに少し水を含ませて擦ってあげると簡単に錆びが取れます。
錆びやすい状態というは、包丁に水気が残っている。レモンなどの酸性のものを切った場合。こういったときに錆びやすいので、気を付けるようにするといいでしょう。
ステンレスも鋼も一長一短あります。
個人的には、見た目に綺麗なステンレスの包丁より、切れ味のいい包丁でおいしさを引き立ててくれる鋼の包丁のほうが魅力的に思えるのですが。。。
包丁販売店に行ってみよう!
実際にものを見てみないとよくわからないという方は、包丁販売店に行って、実際に包丁をもってみてください。ただし、ほとんどのお店では試し切りはさせてもらえないので、切れ味を確かめて買うことはできません。
包丁の堺徳は、店舗を持っていませんが、イベント等に出店していますので、お近くで出店した際にはお気軽にお立ち寄りください。
近くに包丁販売専門店がない場合は、包丁専門店の通販サイトで購入されるのがよいでしょう。
「包丁の堺徳」では、実際に切っているところを動画にして公開していますので、参考にしてください。