【2024年】ダマスカスVG10

2024年】ダマスカスVG10

 

「包丁の堺徳」のオーナー、奥平(おくだいら)です。
地元、大阪・堺の包丁を売りたいと思い堺の刃物メーカーから堺の包丁を仕入、販売しています。
単に包丁を売るだけでなく、お客様に包丁のことを理解してもらえるように、堺の鍛冶屋、刃付屋を何軒も訪問し、実際の作業を体験させていただき、職人さんからお話を伺ってきました。また、堺だけでなく、岐阜の関、新潟の燕三条、種子島、東京の葛飾の刃物製作所も訪問し、それぞれの特徴やこだわりなどの理解も深めるように努めています。

 

ダマスカスVG10

今回は最近入荷したダマスカスVG10の包丁のレビューをお届けしたいと思います。
今回入荷したダマスカスVG10の包丁は3種類あり、牛刀包丁、三徳包丁、ペティナイフです。
ダマスカス模様は、積層69層となっており、細かな模様がとても綺麗です。
鋼材はVG10VG10は最近のステンレス包丁によく使われている鋼材で、以前よくみられたモリブデンより硬い鋼材になっています。
鋼材が硬いと長切れといって切れ味が長く続くとされています。
ハンドル部分は積層強化木口金付きとなっています。

 

さて、ここからは各包丁の特徴や使いやすさについてお話ししていきたいと思います。
まずは、皆さんがよく使われる三徳包丁です。
3種類どの包丁も同じなのですが、ハンドル部分は握り易さを考慮して、手に馴染みやすい形状になっています。握った感じはとてもしっくりくる感じがします。
重さは重すぎず軽すぎずといった感じを受けました。包丁の重さで切れてくれる感じに近いですかね。流石に出刃包丁みたいに重くはないですが、軽く動作することでサクサク切れてくれます。
刃渡は180mm、6寸あるので、キャベツ一玉が楽に切れる長さです。女性の方だと180mmの三徳は大きいと感じるかもしれませんが、大きめの食材や玉ねぎのみじん切りをするのであれば、このサイズの方がいいと思います。

次は牛刀包丁についてです。
ハンドルは先にも述べたように手に馴染みやすい形状です。
重さはこちらもこのサイズなら、こんなもんだろうと思わせる標準的な重さといえます。
この牛刀の特徴としては、刃先が上に強めにカーブしていることです。
そのことで最初に使った時に違和感を感じるかもしれません。
押し切りに慣れている方からすると違和感を感じないのかもしれませんが、私は感覚的な慣れが必要だと感じました。
切れ味については、鋼材がVG10ということもあってよく切れます。
刃渡が200mmとあまりない長さです。料理人の方にとっては短いと思います。
どちらかというと、家庭で料理に慣れた方が牛刀を使ってみたいという方に適した長さと思います。刃先のカーブによって、押し切りはやり易いと思います。

最後にペティナイフです。
ハンドル部分、切れ味については、三徳包丁、牛刀と何ら変わりはありません。
特徴的なのは長さが130mmということです。
ペティナイフの長さでは120mmをイメージされる方が多いかと思いますが、個人的には135mmが最も使い易いペティナイフの長さだと感じています。
今回のペティナイフは130mm5mm短いですが、その差はあまり感じることはありませんでした。135mm程度のペティナイフがなぜ丁度いい長さと考えているかというと、果物用のナイフとして使うことだけでなく、小振りな食材の調理をする際に三徳や牛刀では刃渡が長く扱いづらい点を補ってくれるのが135mm程度のペティナイフと考えているからです。

最後にメンテナンス性についてお話しします。
どの包丁も研ぎ直しすることで、長くお使いいただけます。
ダマスカスの包丁は研ぎ直しをするとダマスカス模様が消えると認識されている方もいらっしゃると思いますが、正しくは、『ダマスカス模様の見え方が変わる』ということです。ダマスカス模様自体は鋼材をミルフィーユのように重ねた断面なので、その断面を研ぐと断面が変わる、模様が変わるということになります。また、研ぎ方によって、ダマスカス模様がくすんでしまったり、霞んでしまったりするので、ダマスカス模様の見え方が変わります。
なので、刃先だけ研いでいるうちは、ダマスカス模様に変化はないですが、ダマスカス模様の部分を研ぐことになった場合に見え方が変わると認識しておいてください。
研ぎ直しについては、ご家庭で使用される利用頻度であれば、1年に1回程度の研ぎ直しでも十分ではないでしょうか。もちろん、ご自身が求める切れ味によるところはありますが。
研ぎ易さについては、ある程度硬いと言われている鋼材にしては研ぎ易いと思います。
ご家庭で研ぐのであれば、#1000番程度の砥石で研いでいただければいいと思います。
可能であれば、#3000番程度の砥石で仕上げされるのがベストです。
ダマスカス模様を綺麗に出したいのであれば、#5000番程度の砥石までで留めるといいでしょう。
ただ、光り易い砥石を選ぶよりは、少し光沢が抑えられる砥石を選ぶほうが、見た目に綺麗に仕上がると思います。泥の使い方でも模様の出方が変わるので、可能であれば、いろいろ砥石を試してみるといいと思います。

3種類の包丁、どれも切れ味、長さ、重さについてバランスよく作られていると思います。
牛刀と三徳のセットを買われる方は少ないかと思いますが、牛刀とペティ、三徳とペティの組み合わせでご購入されるのもいいかと思います。包丁の見た目は、料理する意欲を高めてくれるので、ダマスカス包丁でお気に入りの商品を探してみるのもいいかもしれません。

 

 

包丁販売店に行ってみよう!

実際にものを見てみないとよくわからないという方は、包丁販売店に行って、実際に包丁をもってみてください。ただし、ほとんどのお店では試し切りはさせてもらえないので、切れ味を確かめて買うことはできません。
包丁の堺徳は、店舗を持っていませんが、イベント等に出店していますので、お近くで出店した際にはお気軽にお立ち寄りください。

近くに包丁販売専門店がない場合は、包丁専門店の通販サイトで購入されるのがよいでしょう。

「包丁の堺徳」では、実際に切っているところを動画にして公開していますので、参考にしてください。

包丁の堺徳 - YouTube

 

 

 

 

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